19:名無しNIPPER[saga]
2018/07/15(日) 00:48:42.56 ID:68QvvrKK0
街はずれの大きな坂をゆっくりと下る、体は限界に近いのにこの時間がもっと続いて欲しいと思う。
坂は僕たちを容赦なく歩き続かせる。それに抗するように一歩一歩踏みしめて歩く。
あとで後悔しないように精一杯喋った。まだまだライラさんに聴きたいこと、伝えたいことがあった。
でも時間は有限で、街の風景はどんどん見慣れた景色に変わっていく。
「……ゴールでございますね。なんだか少しさみしいです」
なんだ、ライラさんも僕と同じ気持ちだったのか。喪失感の中、ただそれが嬉しかった。
それからライラさんとストレッチをした。いつもレッスンの終わりにしているそうだ。
そんな僕らの方にやってきた一人の男性。先ほど一緒に歌っていた子供の親御さん。
もともとライラさんとは知り合いで、家が近いらしい。なのでライラさんを車で家まで送ってくれるそうだ。
僕も誘われたけど、ここまではバイクで来ていたので断った。
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