【偽三次創作】どこかの誰かの話　その２【のんびり、まったり】
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72:俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU[sage saga]
2018/12/10(月) 08:03:30.78 ID:3YhVqtJJ0
おはようございます。>>43よりちょっとだけ。


袁逢様の話については沢山、それこそ幾昼夜を費やしても十分なほどに、様々ある。
まず匈奴戦役当時の大小取り混ぜた話を袁術様に捧げると、食い入るように身を乗り出して聞きいっておられた。
特に南皮城を拠点とした攻防戦で袁逢様まで城壁に出られた際の話は、
「それで？　それから？　」
と続きをひっきりなしにせがまれて、記憶頼りなこちらとしては汗をかきかきお話する。

袁紹様が生まれた当時の話をすると、予想はしていたが、
「妾が生まれた時はどうじゃったのだ？」
ときたので、

「そうですな」

あの当時の事を細かいところまで思い出しつつ話始める。


『第二子の御出産、誠におめでとう御座います』
様々な祝いの品を郎党に持たせて南皮城へ伺い、品は女官長に託しその時に状態を伺うと『まだ養生中ではあらせられるが、面会くらいは』との事。
取次を頼むとさほど待たずに女官から呼び出しがきた。
祝いの言葉を述べ、袁逢様より促されて顔を拝見する。
顔色が優れぬのが気にかかるが、
『横着か。よう来てくれたの』
言葉には力があるので気にしないこととする。
『無事の御出産、お慶び申し上げます』
『はは……大仕事であったが無事に我が子に会えた。感謝せねばの』
『で、今度は……？　」
『娘じゃ』
結構あっけらかんとしているのは二番目だからか地なのか。
『ほれ、そこに眠っておるわ。可愛かろ？』
言葉と共に柔和な笑みで顔を向けた先には小さな寝台に寝かされた赤子がすやすやと眠っている。
（やはり、赤子というのは可愛いものであるな）
自らの子供達と重ね合わせて一人心中で頷いていると、
『名前はの、術。とした。袁血族としてなにかの術（すべ）に秀でるようにな。文武でも歌舞音曲でも何でもよい、『天下に袁術あり』と謳われるほどの人物になってほしい。そう願うた』

……なんかこう、気持がわかりすぎてこみ上げてくるものが。

そう思いつつ、眠っている赤子の幸せをそっと願った。

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