34:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:31:09.15 ID:eCrKDArS0
※
異色のコンビの噂が広がっても凛は相変わらずクラスで浮いた存在のままであった。
というより、これまで以上に周りから距離を置かれるようになった。
なにせ凛が親しくしていると噂の相手はあの島村卯月である。
学校ではそれほど目立って話題になる人物ではなかったものの、
その愛嬌のある仕草や表情、そしてアイドルという肩書きに多くの生徒がひそかな憧れを抱いていた。
そんな卯月に、下級生である凛が馴れ馴れしくも呼び捨てにしてお近づきになったとあらば、
これを忌々しく思う人物の一人や二人いてもおかしくない。
しかし当の凛本人はそんな周りの嫉妬心などどこ吹く風、まるで気にしていないのであった。
(ふふふ……卯月、可愛かったなァ……)
そうして今朝の会話を思い出しては不敵に笑う凛を、周囲はますます気味悪がって遠巻きに眺めやるのだった。
「でさ、でさ、けっきょく卯月ちゃんは渋谷とどーゆー関係なの?」
質問攻めに遭っているのは卯月である。
しかし卯月がいくら「ただの友達だよ」と説明しても誰も納得しようとしなかった。
「あんまりさ、関わらない方がいいんじゃないの。騙されてるとか、あるかもしれないし」
「凛ちゃんはそんな人じゃないよ」
「でも不良だよ?」
「不良は不良でも、やさしい不良さんなんです!」
卯月が妙に力をこめて言う。
いや、どっちにしろ不良じゃん、と多くのクラスメイトが心の中で突っ込んだ。
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