8:名無しNIPPER[saga]
2018/07/14(土) 07:46:39.84 ID:aVQ7GLsXO
「胸が乾いてきました」
「いる?」
「ミネラルウォーター差し出さないでください。喉じゃなくて胸が乾いたんです。また私を濡らそうとするんですから」
「あっ、ボイスレコーダー忘れた」
「どこの部分を録音しようとしたのでしょうか」
「それにしても夢みたいだ。長年ずっと追いかけてきた人とこうして話してる。それどころか、もっと好きになるように協力してもらってる」
「下心がありますけどね」
「僕の身体目当て?」
「殺人教唆です」
「できるかなぁ。ストーカーであること以外は真っ当な人間だからなぁ」
「私のこと殺したいって思ったことは?」
「ないよ。好きな人がいなくなって何の意味があるのさ」
「やっぱり真っ当なストーカーですね」
「そろそろお開きにしましょうか」
「そうだね」
「次はいつ会いましょうか。連絡先を交換しておきたいのですが」
「もう知ってるから大丈夫だよ」
「それはよかったです」
「へへっ」
「いえ、よくないですよ。なんで知ってるんですか」
「ストーカーだから」
「そうですね。ストーカーですものね。それではあとで連絡ください」
「わかった」
「今日はありがとうございました。それでは、また」
「うん、またね」
男と女はお互いに手を振った。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……なんでついてきてるんですか」
「ストーカーだから」
「もう」
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