オリジナルss 恋する乙女は頑張る。
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3:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 22:10:41.22 ID:TUAcnqRm0


「実はお爺ちゃんをこの家で引き取ることになったの。」


それは先程も語った私に良子と名付けたお爺ちゃんのことだ。

お母さんが事情を話してくれたけど

お爺ちゃんはお婆ちゃんに先立たれたせいで一人暮らしを送っていた。

けれどお婆ちゃんがいなくなってからお爺ちゃんはめっきり元気がなくなり

持病のせいで足腰も悪くなりさらには痴呆症まで悪化したとか…

介護施設に入れるにしても順番待ちが続いていた簡単には入れないそうだ。

他の親戚もお爺ちゃんを引き取るつもりはないようでお母さんが引き取ることを申し出た。


「まあ…いいんじゃないか…」


「母さんが面倒見るっていうなら俺はどうでもいいよ。」


お爺ちゃんを引き取ることについてお父さんとお兄ちゃんは

お母さんが全面的に面倒を見るというのなら別に良いと言ってくれた。

うちの男たちは家事については自分から動くタイプじゃない。

自分の行動範囲に影響を及ぼさないというのなら干渉はしないようだ。

私もお爺ちゃん一人くらいなら特に問題はないと思った。

『自分で動けないなんてお爺ちゃん可哀想』程度にしか思ってなかったんだろうなぁ。

それでも引き取ろうとするお母さんにちょっとだけ違和感を抱いていた。

その理由だけどお母さんはどういうわけか家に他人が出入りすることを極端に嫌った。

私やお兄ちゃんが家に友達を連れて来た日には物凄く怒られた。

だから私とお兄ちゃんはこれまで家に友達を連れ込んだことは一度としてない。

それにペットもだ。うちには犬も猫もいない。その理由は勿論お母さんだ。

お母さんはとにかく家に問題を持ち込むのを嫌った。

だからペットなんて面倒のタネになるものは絶対に飼おうとしない。

そのペットがどんなに愛想よく振りまいてもお母さんはそれを忌み嫌った。

そんなお母さんがお爺ちゃんの介護を率先して行うなんて私はそれが少しだけ疑問だった。


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