25:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 22:33:46.84 ID:TUAcnqRm0
「そんな私を見かねてお父さんはある行動に出た。」
「ある日、お父さんはお婆ちゃんを連れてどこかへ行った。
帰って来た時はお父さん一人だけ。おばあちゃんの姿はどこにもなかった。」
「その数日後、近隣の山で身元不明の遺体が発見された。」
「それで察したわ。
お父さんは何も言わなかったけどお婆ちゃんを山へ置き去りにしたのよ。」
それは昔から伝えられている姥捨てという習慣らしい。
貧しい村で年老いて働けなくなった老人を子供たちが山の奥へと捨てるという習わし。
同じだ。私がやったこととまったく同じだ。
「思えばこれが報いだったのかもしれない。
お父さんはお婆ちゃんを捨てたことをこれまでずっと後悔していた。
だって実の母親を捨てるのよ。信じられないでしょ。」
「それで何で私がやったなんてわかるの…この家にはお父さんやお兄ちゃんもいるのに…」
「当然でしょ。アンタには死んだお婆ちゃんの名前が付いているもの。
本当は教えるつもりはなかったけど
アンタの名前はお父さんがお婆ちゃんを殺したことを悔いたから…
だから生まれ変わって幸せになってほしいから同じ名前を付けてあげたの。」
これまでの一部始終を聞かされて私はこれまでのお母さんの行動が理解出来た。
どうしてお母さんは家庭内に問題を持ち込むことをを嫌うのか?
それは過去にお婆ちゃんを殺したから…
トラブルに関わるのはもうゴメンだと…だから注意していたんだ…
そんなお母さんがどうしてお爺ちゃんの介護だけは積極的だったのか?
お爺ちゃんが過去にお母さんのためにひいお婆ちゃんを殺したせいだ。
そしてお爺ちゃんが
私のことをお母さんと呼んでいたのは自分の手で母親を山へ置き去りにしたから…
だからなんだ。物事には全部理由があった。けどこのことを何で私にだけ打ち明けるのさ。
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