24:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 22:30:40.59 ID:TUAcnqRm0
「もう30年以上前の話よ。私もアンタと同じ受験生だった。」
それからお母さんはとある過去の出来事を話してくれた。
今から30年前、当時受験生だったお母さんはある悩みを抱えていた。
その悩みとは同居していた私のひいお婆ちゃんが痴呆症を患ったことにあった。
それが原因で家庭崩壊の危機に陥ったという話だ。
「当時、私は酷い受験ノイローゼに襲われたわ。
このままじゃ志望校に合格なんて出来やしない。かといって施設に空きもないし…
それにお母さんは死んでしまって本当にどうにもならない状況だった。」
ひいお婆ちゃんはいつもお父さんの名前を喚いていた。
『次郎はどこだ?何でいないの。まさか私のことを見捨てたんじゃないか。』
だからひいお婆ちゃんを宥めるのはいつもお爺ちゃんの役目だったらしい。
そんなお爺ちゃんだけどそれで一番不快だったことがあった。それは名前を呼ばれること。
お爺ちゃんは自分の名前を叫ばれるのは嫌だった。どうしてかって?
次郎という名前は単純に次男坊だからという意味合いで付けられたそうだ。
自分の名前が安易に付けられたことをお爺ちゃんは極端に嫌っていた。
なんだろ…私には良く理解できる悩みだ…
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