美希「自分探しの旅に行ってくるの!」千早「付き添って来ます」
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1
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:26:29.35 ID:VtXsprNk0
星井美希は悩んでいた。
ソファーに寝そべり、ぼうっと天井を眺める。
普段この体勢を取る時は基本的に目を瞑っているから、何だか新鮮な気がした。あ、あそこ傷があるの。
いつだったか、ふと頭に浮かんだ疑問。単純なものだったけれど、珍しく一瞬で答えが出てこなくて、それからずっと纏わりつかれているような感覚がある。
プロデューサーに相談すれば解決することだと、それぐらいのことは分かっていた。いつも優しくて頼りになるあの人なら、きっと彼女にとって良い未来を示してくれることだろう。
今までずっと、そうしてくれたように。
でも。
美希は、自分で悩むことを選んだ。
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2
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:27:18.52 ID:VtXsprNk0
明確な理由があったわけではない。
ただ、直感的に、相談しない方が良いと判断したのだった。そういう直感を、彼女は何よりも大事にしていた。
「美希?」
以下略
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3
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:28:13.15 ID:VtXsprNk0
珍しいことに。千早が楽しそうに言う。
珍しいかな。美希は不思議そうに言う。
珍しいわね。千早が笑う。
そうかも。だから、美希も笑った。
以下略
AAS
4
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:28:48.68 ID:VtXsprNk0
┌───────────────────────────────────────────┐
│ 茜ちゃんだよー カフェうどん
│ プリン美味しかったよ! 15:00〜 ←なんやそれ
│ ↑ 参加するわ
以下略
AAS
5
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:30:34.58 ID:VtXsprNk0
梅雨明けの空に申し訳程度の雲が浮かんでいた。少し、風が強い。
それぞれの長い髪をふうわりふわりと揺らしながら、二人、並んで歩いていた。
駅までの道は、そう長くない。慣れ親しんだ風景が、でも、今は何だか違って見える気がした。
以下略
AAS
6
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:31:34.13 ID:VtXsprNk0
☆
そうだ。旅に出よう。
以下略
AAS
7
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:32:35.27 ID:VtXsprNk0
ミキ、自分探しの旅に行ってくるの!
以下略
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8
:
◆0NR3cF8wDM
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2018/07/10(火) 21:33:05.23 ID:VtXsprNk0
「……で、でも、千早さん、今日この後レッスンだって」
「自主レッスンだから構わないわ」
と、千早。時間を押さえてくれたプロデューサーには申し訳ないけれど。小さく呟く。
以下略
AAS
9
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:33:38.75 ID:VtXsprNk0
くふ、ふふふふ!
美希は笑った。
抑え切れず、漏れ出すような笑いだった。
以下略
AAS
10
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:34:28.58 ID:VtXsprNk0
☆
「どこに行こっか?」
以下略
AAS
11
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:34:56.09 ID:VtXsprNk0
To:プロデューサー
以下略
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12
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◆0NR3cF8wDM
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2018/07/10(火) 21:36:12.86 ID:VtXsprNk0
「あはっ」
美希は吹き出すように笑った。
「遠くでレッスンだなんて、千早さんもよく言うの」
「嘘では無いわ。全ての経験が、歌に繋がる。私は765プロでそう学んだもの」
以下略
AAS
13
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:36:50.03 ID:VtXsprNk0
「……?」
どうしてだろう。
せっかく飛び出して来たのに、それじゃ、事務所にいるのと変わらないの。
以下略
AAS
14
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:37:45.01 ID:VtXsprNk0
「あっ」
と、千早が気が付いたように声を上げたのは、いよいよ電光掲示板で自分たちの乗る電車を探そうという時だった。
以下略
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15
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:38:47.87 ID:VtXsprNk0
☆
整備された海辺の道は、静かな光に溢れていた。空の青と海の青と雲の白と街路樹の緑が、心地よい音楽を奏でているようだった。
以下略
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16
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◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:39:15.01 ID:VtXsprNk0
美希の思ったように動くといいわ。私は勝手について行くから。
千早さん、それで楽しい? という美希に、あなたと一緒にいるだけで楽しいわ、と千早の返し。
そういうの、ちょっとずるいって思うな。
美希の呟きが、千早に届いたのかどうかは、分からなかったけれど。
以下略
AAS
17
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:40:27.92 ID:VtXsprNk0
自分探し、自分探し。
しばらく下を向いて歩いてはみたのだけれど、どうやらそれは道に落ちているわけではなさそうだった。
空を見上げる。
あの雲みたいに、ぷかぷか浮いてたりするのかな。
以下略
AAS
18
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:41:22.92 ID:VtXsprNk0
猫、猫。
考えてみると、悪くない気がした。
「千早さん、美希が猫だったらお世話してくれる?」
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19
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◆0NR3cF8wDM
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2018/07/10(火) 21:42:04.96 ID:VtXsprNk0
☆
「ミキね、どうしてアイドルやってたんだっけ、って」
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20
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◆0NR3cF8wDM
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2018/07/10(火) 21:43:06.25 ID:VtXsprNk0
「でも、ふと思ったの。ミキは、なんでアイドルをやってるんだろう。キラキラ輝くため? ドキドキしてワクワクするため? プロデューサーに見てもらうため?」
きっと、それは美希にとって間違いなく「アイドルの理由」だった。
でも。
以下略
AAS
21
:
◆0NR3cF8wDM
[saga]
2018/07/10(火) 21:44:13.69 ID:VtXsprNk0
「美希は」と、千早は美希を見つめて言った。「歌うの、楽しい?」
「? うん、楽しいって思う」
「ダンスは、楽しい?」
「もちろんなの」
以下略
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