52: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/08/06(月) 20:32:49.90 ID:s95ACY/40
男をその腕に擁いた時、所恵美は得も言われぬ充足感で心が満たされていくのを知った。
隠し続けて来た欲求の解放、タブーを踏み越えるというスリル。
今、紛れもない異性の存在を肉体を通して感じている。
その命が脈動するたびに、吐き出された吐息はたぎりとなって彼女の胸をくすぐるのだ。
「でも皆、そんなだから安心してるのかも。この人は絶対手を出さないって」
「むぐ、みぃ……!」
「……柔らかいでしょ? これ全部、今なら好きにして良いんだよ」
残る僅かな隙間も無くすように、恵美は先ほどよりもっと強い力で男を抱いた。
文字通り息詰まるプロデューサーの視線が彼女に止めろと訴えるが、
その目には少なくない従属の意思の光がある。
既に今回ばかりは後五分、いや一分でもこの魅惑の状況が続いたなら、
普段から多くの誘惑に耐えている彼でも自ら一線を越えるような、危険な雰囲気で倉庫内は満たされていたのだった。
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