オーク「もう姫騎士と関わらないようにしよう」
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21: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 14:11:39.82 ID:ApRGfkc30
朝になり、朝食を呼ばれていくと、姫騎士だけが座っていました。

姫騎士「そこに座りなさい」

使用人によって椅子が引かれ、オークには少し小さい椅子に腰かけると、朝食を運ぶ召使いがやってきました。

並べられた料理はいずれも手が込んでおりました。

姫騎士がちらちらとオークの様子をうかがうのが気になるようで、手が一向に進まないようです。

そこに従者がやってきました。

従者「お二方、お早いお目覚めで。歓談しながらでもいかがですか?」

姫騎士「冗談は休み休み言って。こうなるように仕向けておいて」

従者「ここでは話にならないようですね。昨晩と同じ場所に向かいますか」

結局、使用人の部屋で話し合いをすることになりました。

オークには敵わないと分かりはしたものの、魔物に対する強い敵愾心は収まらないようです。

姫騎士はオークに今のオークの村について説明を要求しました。

情報があれば攻めるときに優位に立てるという下心を隠しつつ訊いたのですが、平和なものでした。

こちらに被害が及ばなければ人間の里や村を襲ったりしないこと、

魔法使いや戦士はいるが、普段は別の仕事をしていること、

畑仕事もして自給自足の生活もしていることなど、姫騎士にとっては思ってもみないことでした。

姫騎士「それじゃあ、村を襲ってきた魔物は…」

オーク「人間が来ているものや食べるものが羨ましくて奪ったりするはぐれものはいるけれど、そういないよ」

従者「好事門を出でず、悪事千里を走る、ですね。一つの悪事によって全体が悪印象が根付くこともありますし」

姫騎士「そうだったのね。私もゴブリンの件があったせいで歪曲していたようね。反省するわ」

オーク「それじゃあ、ぼくは帰っていいんですね!」

姫騎士「ダメよ」

オーク「えっ」 従者「えっ」

姫騎士「私より強いなら剣を教えて頂戴。半月に一度でいいわ」

オークと従者の驚きをよそに、姫騎士は勝手に決めていきました。

姫騎士「心変わりして悪いオークになっていないかもチェックしないといけないし。わかった?」

オーク「か、考えさせてください」

姫騎士「それ相応の報酬は出すわ。王家に傅くオークとして剣術所を開く資金も与えましょう」

従者「まさかここまで姫様が心を開くとは」

オークに頼りになると思われていた従者も妙なところで感動し、オーク本人をよそに話は進んでいったのでした。


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