47: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:02:13.49 ID:LgMjPCNT0
「もしかして落とし穴でも作ってたのカナ〜? 誰を落とすノ? プロデューサー?」
「まさか! 誰も落としたりしないよ。
……私は少し、役作りの練習。エレナちゃんこそ何してたの?」
訊き返されたエレナちゃんが答える。
「ワタシも今度の劇の練習!
ワタシね、演技はあんまり上手じゃないし、台詞もとちってばかりだけど――」
そう言って彼女は持っていたボールを膝で軽く上げて、
落ちてきた所をパシンと両手でキャッチして見せると。
「だからこそ一番の見せ場はビシッとキメたいんだヨー! リフティングだけは完璧にこなして、
観てるお客さんに楽しんでもらいたいし、ビックリしてもらいたいからネ!」
笑顔で語るエレナちゃんを見て、私は素直に羨ましいなとそう思った。
彼女は今の自分に出来ることと出来ないことの区別をつけ、
その中でも特に結果を出せそうなことに時間と力を注いでいる。
その判断が正しいかどうかは問題じゃなく、
ハッキリとした目標を持って努力している姿が眩しかった。
79Res/72.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20