11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:00:52.42 ID:LgMjPCNT0
実際、隣に座るエレナちゃんなんかはいまいち理解してないようで。
「つまり当たって砕けろチャレンジの、チリも積もって大和晴れだネ!」
なんて元気よく指を鳴らした後。
「な、習うより慣れろの方が……。失敗はしなさそうで、縁起は良いんじゃ……」と、
向かいに座る可憐ちゃんからオドオドとしたツッコミを貰ってるような有様だった。
生まれはブラジル、小さな頃に日本(こっち)へ引っ越してきたというエレナちゃんが披露した、
ちょっと怪しい慣用句のパレードに琴葉さんがやれやれと首を振る。
「とにかく!」
そうしてパンッ、と手にしていた台本をひと叩き。
みんなの注目を集めると、もう既にチームの中のまとめ役に収まりつつあった彼女はこう言った。
「初舞台がバックダンサーじゃなくて、お芝居なのは僥倖だわ。本を読んだ限りだと五人に振られた出番も多くないし、
これだったら誰かが台詞をとちっても私がすぐにフォローできる」
「頼りにしてるよ、コトハ!」
「ありがとうエレナ。でも、だからってさっきみたいな適当なことわざ使ってちゃ、練習で怒られちゃうんだから」
琴葉さんの冗談めかした御忠言でその場に小さな笑いが起きる。
どうやら今回集められたメンバーの相性は悪くないみたいだ。
……と、雰囲気が明るくなったところで、
そんなことを考えていた私と琴葉さんとの目が合った。
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