【たぬき】依田芳乃「そなたと、長い夢」
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54: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 01:03:03.52 ID:Wze3yOnD0


  ◆◆◆◆


 寂しがり屋は、誰(た)ぞ。
 手を叩き場所を知らせましょう。

 寂しがり屋は、何処(いずこ)ぞ。
 胸に抱きて温めましょう。



 七つまでは神の子と申します。
 かつて幼き者達を連れてゆくのは、陰に潜む魔ではなく、抗えぬ天命でした。
 故にこそ七つを過ぎた者は、健やかなる人の子として現世(うつしよ)を生きるとされます。

 今よりも闇が濃く、幽冥の近かりし頃、人々は命をそのように捉えておりました。


 なれど、今にもそれは通じましょう。

 全ての子に幼き日があり、小さき歩みを懸命に進めてこそ今があるのですから。

 一つ一つの歩みは縁となり、出会い別れ、巡り巡りて大いなる流れを作ります。
 それは数多ある川が流れ、やがて大海へと辿り着くことに似ております。


 縁の流れは、それ自体が天与と呼ぶべきもの。
 乱してはならぬ定めです。




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