【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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482:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/28(土) 02:07:26.13 ID:W8gvA/tC0
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 ──世界線は変わっていない。リーディングシュタイナーは発動していない──


 自らにそう言い聞かせ、湧き上がる疑念を払拭できたのは、ラボに向かって歩きながら電話をかけまくり、各人の現状を確認した後のことだった。


 ダルは自宅で、いつものようにエロゲーを楽しんでいる最中だった。

 ルカ子は男のままで、その性別を含んだ状況に、いささかも目立つ特異点は見当たらない。

 フェイリスは──まあ、秋葉原の街が消えていないので不安は無いが、それでも一応、今でも高層マンションで執事の黒木と二人暮しだという事を、確認した。

 萌郁は、神のごとき速さで、返信メールが飛んできた。その文面にも、特に異常は見当たらない。

 さすがに、未来の鈴羽だけはどうしようもなく保留にしたが、しかし、鈴羽以外の俺を含めた全員に、なんら変化はない。


 そこまでする事で、やっと自分の中に噴き出そうとする不安感に、フタをする事ができた。


 ──だと言うのに──


「どういうことだ、これは……」

 ラボへの道程で差し掛かった、家電量販店の前。そのショーウィンドー越しに見える光景が、掴んだはずの安堵感を、跡形も無く打ち砕いた。

「なぜ、こんなフザけた事に、なっている?」

 大きな一枚ガラスの向こう側。そこに見える文字。
 ショーウィンドーに並べられた、大型サイズの薄型テレビ。その画面の上端に流れる、ニュース速報を伝える一文。
 その意味に、俺は戦慄していた。



『先日、ロシアへ亡命を果たした物理学者 中鉢氏に対し、ロシア政府が正式に国籍を授与』



 そんな文面が、画面すみに踊っていた。
 そして、その内容は俺の中にある記憶と、大きく食い違っている。

 ドクター中鉢こと、牧瀬紅莉栖の父親。彼は、ロシアへの亡命をしくじり、日本へ強制送還された。

 少なくとも、俺の記憶の中ではそうなっているし、そうでなければならない。そして何より、そうなるように仕向けたのは、他でもない俺自身なのだ。



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