【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2018/07/28(土) 01:58:40.25 ID:W8gvA/tC0
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沈みかけた太陽を背に、黄金色に染まる秋葉原を歩く。
引き伸ばされた自分の影を目で追いながら、俺はラジカンを後にした。
別に、何か目的があって、この場所に来たわけではない。ただ──
『紅莉栖がラボを訪れるまでに、少しでも頭の中を整理しておきたい』
そんな事を思い、一人で街に出ただけの話し。
そして、どこか空虚な思考を空回りさせながら、目的地もなくフラフラと彷徨っていると、気付けばラジカンの屋上まで来ていた。ただ、それだけの事である。
周囲の景色を視界の隅に流しながら、どこか頼りない足取りで歩み、考える。
今日になって、突然、あの時の事を話せと言ってきた紅莉栖。
説明に主観がないと言って、顔を赤く染めた紅莉栖。
今すぐにでも聞きたいといった、紅莉栖。
最初は、どうしてそれほどまでに急いでいるのか不思議に思った。しかし、そんな紅莉栖の見せた焦りの理由も、今ならば分かる気がする。
帰国の前日になるまで、俺にその事を知らせなかった。そんな紅莉栖の心情を、自分勝手に思い描く。
『言い出したくても、言い出せなかった──と言ったところか』
自意識過剰だろうか? そうなのかもしれない。だが、だったらなんだ。
もっと早く言うべきだった──
そう呟いて謝る紅莉栖の姿は、少なくとも俺の目には、そう映った。
だからこそ、俺はラボへの帰途を進めながら、覚悟を決める。
『もう間も無く、紅莉栖もラボへとやってくるだろう。そこで俺は、紅莉栖に全てを話す』
何十億もの人々と、牧瀬紅莉栖という少女一人を天秤にかけた意思。
中鉢の凶刃から紅莉栖を救おうとして、誤って紅莉栖に危害を加えてしまった失敗。
そんな収束を見せる世界線を前に、一度は崩れ、それでも諦め切れずに、十四年もの長い時間を執念だけで生き抜いたという、今は無い未来の俺の生き様。
世界をだまし、過去の自分をだますために、全てを承知で紅莉栖の父親に刺された。そして不足を補うために犯した、命がけの無謀な行動。
そんな全ての一切合財を、包み隠さずありのまま、紅莉栖に伝えるつもりだった。
だから、自らの想いをより深く刻み込むために、もう一度強く、覚悟を決める。
──全てを話した後、俺は紅莉栖を引き止める──
俺の話を聞いた紅莉栖が、どんな反応を示すのかわからない。怒るだろうか? 呆れるだろうか? 悲しむだろうか? それとも、喜ぶだろうか? 分からない。
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