【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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421:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/23(月) 21:10:27.32 ID:eCLY4xXr0
「ああ〜。オカリンパパだ〜」

 まゆりの声が表すとおり、紅莉栖の指先には、俺の隣で突っ立って映る、一人の男の姿。

「お……親父じゃないか……」

「そうなのよ! もうシブ面すぎて、うっとりしても仕方ないじゃないの、これだったら!」

「人の親をこれってお前……。というか、なんだかもう色々と無理するな助手よ……」

 何となく、必死な紅莉栖の弁解に、不思議な哀れみさえ感じてしまう。

「別に無理なんてしてないだろ! 私はシブ面でうっとりしてただけで、誰が好き好んで、隣におまけみたいに映ってるチビ岡部なんて……はうぅ」

 紅莉栖が指先を、俺の父親から隣のチビ俺へとスライドした瞬間。今度こそ耐えかねたかのように、紅莉栖がヒザを折って、ガクリと床に腰を落とす。

 もはや、弁解の余地さえないと思えた。論より証拠とはよく言ったものだが、紅莉栖の言葉が真意でないという事は、紅莉栖の言動を見ていれば、ありありとうかがい知れた。だが──

「そうなんだ〜。うん。オカリンパパって昔からカッコよかったから仕方ないね〜」

 紅莉栖の無理目な物言いを真に受けたのか、まゆりが両手を顔の前で合わせて、嬉しそうに小さく跳ねる。

「あ〜、でも最近のオカリンは、少しオカリンパパに似てきたように思うのです! このままオカリンがシブシブになっていけば、きっとそっくりになるねぇ〜。あ〜、でもそうなると今度はクリスちゃん、オカリンにうっとり──」

 そんなまゆりの発言に、床にへたり込んでいる紅莉栖の肩が、ピクリと動く。

「ストーップ! まゆり! それ以上の考察は、ノーサンキューよ!」

 床の上からまゆりに向けて、開いた手のひらを突きつける紅莉栖。その必死な挙動を見ると、今にもその手のひらから、気の塊でも放出しかねないような──そんな勢いに思えた。



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