【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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410:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/22(日) 22:49:17.70 ID:+mU1ijAH0
 彼女の名前をこうして口に出来る。その事が、とても温かくて──

「クリスちゃん、どうしたの? 泣いてるの? ひょっとして、オカリンにいじめられたの?」

 心配する声を、とても切なく感じてしまった。

「違うの。違うから、大丈夫だから。ね、まゆり」

 私は途切れ途切れに言葉を紡ぎ、そして彼女を抱きしめる。意味など、きっとないはずなのに。

「クリスちゃん?」

 不思議そうなまゆりの声。そして続けられた彼の声が、胸の奥に響く。

「いつか。もしもどこかで、お前があいつと出会える時がきたのなら、伝えておいてくれ。お前のおかげで、まゆりは今でも元気だと」

 その言葉に、私はまゆりから身体を離して、ちゃんと頷いて返す。

 ずっと不安だった。彼が私に向けた視線。2月14日に伝えられた言葉が重く思えて、嬉しさに釘を刺す寂しさが、どうしても拭えないでいた。

 でも分かった。だから──

「ありがとう、岡部」

 ちゃんと、言えた気がした。私の知らない沢山の私。その誰一人として取り残されることなく、何かを贈られ、お礼を告げられた。そんな気がした。

 やっと、つりあえたような──そんな気がした。

 そして、岡部の言葉が私に届く。お礼を告げた私の想い。岡部は少し気まずそうな顔をして、

「あ。お前へのお返しだけ……忘れていた」

 そんな事をのたまった。アホだと思った。




              END



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