83:以下、名無しに代わりましてジョーカーがお送りします ◆.jMGTy6iYI[saga]
2018/07/02(月) 22:13:32.28 ID:wMmqL8230
惣治郎「しっかし、まさか1ヶ月もしないうちに戻ってくるとはなぁ。双葉から聞いた時は驚いたぜ」
まばらになってきた店内を見渡しながら、惣治郎が話題を振ってきた。
コーヒーを嗜みながら、話に耳を傾ける。
惣治郎「まぁ一度付いちまったレッテルってのは、なかなか剥がれねぇもんだ。剥がしても剥がしても、また塗りたくられちまう」
惣治郎「塗りたくる奴らは、テメェの本来持ってる色が見えなくなるまで塗り重ねてやるのが正義だと思ってやがるからな」
惣治郎「そんな奴らにかまってやるだけ時間の無駄だ。何が楽しくて他人のキャンバスにされなきゃならねぇんだよってな」
惣治郎「だから何をしようがありのままのテメェを受け入れてくれる人間は大事にしろよ?」
惣治郎「このご時世、簡単に手のひらを返す人間なんざごまんといるからな」
惣治郎「信じていた人間に背後から刺される、なんてよくある話だ。そうならないよう、大事なことはキチンと腹を割って話せよ」
蓮「惣治郎は刺された事はあるのか?」
惣治郎「俺の事はいいんだよ。仮にあったとしてももう何十年も過去の話だ、時効だ時効」
「マスター。お代ここ置いとくよ」
「俺らもそろそろ帰るか」
「だな。マスター!こっちもお勘定ここ置いときますねー」
惣治郎「あいよー、毎度あり」
7時を過ぎたからか、ぞろぞろと続けて客が店を後にする。
惣治郎はテーブル席へ向かい、テーブルを布巾で掃除しながら背中越しに言葉を発した。
惣治郎「……お前、いろんな人に手ぇ出してただろ?」
蓮「!」
惣治郎「俺も若い頃はだいぶやんちゃしてたからあんまり強くは言えねぇけどな」
惣治郎「若い身空での惚れた腫れたで一緒に居られるうちはいい」
惣治郎「けどな、そうも言ってられない時期はあっという間に来るもんだ」
惣治郎「それ相応の身の振り方は覚えておけよ? でないと新聞に名前載っちまうからな? 『死人に口なし』なのも忘れるなよ」
向こうを向いている為表情は伺えないが、惣治郎から厳しい忠告を受けた。
惣治郎「ま、何事もバランスが大事だからあんまハメ外しすぎんなってこった。特に今年は受験なんだろ?浪人して1年棒に振るなよ」
蓮「気をつける」
惣治郎「そうしてくれると助かるぜ。もうこの前みたいなのはコリゴリだからな」
やれやれと、肩を竦める惣治郎。 惣治郎のフォロワーがなければそれこそ本当に刺されていたかもしれない。
――カランカラン
惣治郎「いらっしゃい。――って、ああ」
最終決戦以上の死を覚悟した修羅場を思い出していると、現実に呼び戻すかのように入口のベルが店内に鳴り響いた。
惣治郎の反応からして知り合いのようだが……。
安価↓3 そこに居たのは?
1 真
2 春
3 武見
4 冴
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