【ミリマスSS】「桂馬が跳ねたら」
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11:名無しNIPPER[saga]
2018/08/16(木) 06:26:40.96 ID:L1yWX6ECO
二人の人間が盤面を挟んで向かいあい、脳の右か左かをフル回転させる。
一夜漬けの試験勉強でもなく悪徳商人の悪巧みでもない。
相手の玉を詰ますというその一点に向かって、思考力のすべてを注ぐ。
余分なものは何も無い。

だからこそ、その隙間から指し手の「本質」のようなものが顔を出す。
それがたまらなく面白い。

天才たちの集まるプロ棋士の中の、さらにトップ同士が対局するタイトル戦。
いわば、ピラミッドの頂点だ。
そこで二時間を越える長考の末に放たれた一手が、素人目にも分かるほどの悪手だったりする。
そしてそれに気付き、苦悶の表情を浮かべる。
「人間」が出る。

そうだ。
将棋とは、「人間を見せてくれる競技」なんだ、と強く思う。


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