79: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/06/22(金) 03:01:39.83 ID:eyDuHFgv0
「……そう……ですかぁ。それじゃあ、場所がわかって……」
俯いたまま、まゆは立ち上がる。
ぶわっ――
繭が一気にほどけた。
それは空中で依り合わせられ、たちまちのうちに無数の白い糸となって辺りに展開する。
開いてみれば、そこは明るい初夏の森の中だった。
梅雨の合間の爽やかな陽光が差し込み、地面に梢の濃い影を落とす。
開けた空間の隅にあるのは、打ち捨てられた廃祠だった。きっともう誰も来ないのだろう。そして、
「まゆちゃん……!!」
まゆが見つめる先には、息を切らした美穂と、美嘉の姿がある。
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