73: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/06/22(金) 02:32:16.04 ID:eyDuHFgv0
薄く開かれた瞳は輝いていて、いっそ狂奔めいた情念と、どこか縋るような切実さがあった。
どれほど真摯に訴えかけているのかは、顔を見るだけでわかった。
だけど、それには真剣さと同じだけの痛ましさがある。
「……本当に自分だけの心で決めたことか?」
「え……?」
「時間なんて限られてない。焦ることなんて何もないだろう。こんなのはそもそもまゆらしくないぞ。
お前一体、何に駆り立てられてるんだ?」
彼女はしばらく、俺の顔をじいっと見つめていた。
わずかに歪んだ口元は、それでもやはり、笑みの形をしていた。
「……本当に……なんでも、お見通しなんですねぇ」
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