78: ◆KWjQNDTan2[saga]
2018/06/27(水) 20:18:43.18 ID:OlbWkhBM0
あなた(それから週に1度、師匠と連絡を取り合い、神社で和太鼓を叩くことが習慣になった)
あなた(師匠はいつでも気さくに笑いかけてくれて、和太鼓の魅力を楽しそうに語ってくれた)
あなた(俺は師匠の期待に応えたくて、一生懸命にバチを振り、太鼓を打ち込んだ)
あなた(そんな俺を師匠はよく褒めてくれる。それに少しの誇らしさを感じた)
あなた(加えて、なんと呼べばいいのか自分でもよく分からない、くすぐったいような感情が胸の中で疼くようになった)
あなた(最初はその得体のしれない気持ちに首を傾げていたが、それは別に不快なものではなく、むしろなんだかやる気を生み出してくれるような気がするものだった)
あなた(ならそれでいいか、と思って、その気持ちの正体は不明のままで置いておくことにした)
あなた(また、師匠との和太鼓以外にも、勉強に励み、バイトに励んだ)
あなた(瀬田先輩に教わった「その人になりきること」を勉強で実践したみて、確かにただ漫然と机に向かうよりはずっと集中が出来たこと)
あなた(羽沢先輩の指導の下、だんだんと羽沢珈琲店で自分の出来る仕事が増えていくこと)
あなた(それは充実した日々だった)
あなた(目に見えて自分が成長しているように感じられる日々だった)
あなた(集中した時は時間の流れが早いものだ、とは前にも思っていた)
あなた(しかしそう自覚していても、いつの間にか4月の終わり、ゴールデンウィークになっている)
あなた(つまりはそれだけ自分が全力で色んなことに打ち込めていたんだと思うと、師匠に褒められた時に似た誇らしさが胸の中に生まれるのだった)
……………………
115Res/88.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20