13: ◆KWjQNDTan2[sage]
2018/06/20(水) 01:45:38.22 ID:NQFD6swr0
あなた「特に宇田川先輩のドラム、いつも超カッコいいと思ってます!」
巴「お、マジで?」
あなた「はい!」
巴「へへ、なんだか照れるな。っと、そうだ。つぐに生徒会の手伝い頼まれてたんだ」
あなた(宇田川先輩はそう言い、チラリと校舎の方へ視線を送った)
巴「ぶつかっちゃって悪かったな」
あなた「いえ、こちらこそ! 邪魔してすいません!」
巴「いやいや、よそ見して歩いてたアタシが悪いんだって」
巴「そんじゃな! またライブ、見に来てくれよ!」
あなた「絶対行きます!」
巴「ははっ、元気な返事だな! 絶対だぞーっ!」
あなた(大きな声でそう言って、宇田川先輩は校舎の方へ駆けていく。その姿を見送ってから、俺は胸の内が熱くなっているのを実感する)
あなた「……知らなかった。まさか羽丘の人だったとは」
あなた(憧れの人。薄い膜を一枚隔て、双方向性のないテレビとかみたいな、一方的な関係)
あなた(そう思っていた人物とこうして話し合えたことに、体の奥から熱い感情が生まれ、全身に迸っていくような気がした)
あなた(あまりにも身近に感じてしまった宇田川先輩という憧れ)
あなた(その姿に一歩でも近づけるようになりたい)
あなた(これは愛とか恋とかなのだろうか。一目惚れ、とは思うが、実際に恋をしたことがないからよく分からない)
あなた(でも、宇田川先輩の隣に立っても見劣りしないような男になりたい)
あなた(あの『カッコよさ』に負けない男になりたい)
あなた(そう思うと心が昂り、今すぐにでも走り出したい衝動が沸き起こる)
あなた「……燃えてきたぜ!」
あなた(思い立ったが吉日。いい言葉だ)
あなた(その言葉にならい、俺は地を蹴って校舎まで駆けだすのだった)
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