【ゆゆゆ】結城友奈は極道である【極道兵器】
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56: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/23(土) 23:07:44.07 ID:5MxZKwKG0
「星々を喰う魔物。奴はその名の通り数え切れぬ程の星を喰らい、数多の平行宇宙を滅ぼしてきた。
 その魔物が、自身の細胞から生み出したおびただしい数のバーテックスを引き連れて、地球を襲撃したのだ。
 その圧倒的な戦力差の前に、人類は絶体絶命の危機に追いやられたが…その時、奴らの前に赤き鋼鉄の巨人が立ちはだかったのだ。
 我々は、ゲッター線の化身とでも言うべきこの巨人を、ゲッターエンペラーと呼んでいる。
 激闘の末、ゲッターエンペラーの手によりバーテックスはそのほとんどが死滅し、星々を喰う魔物もダメージを受け、休眠期間に入った。
 だが、ゲッターエンペラーもまた負傷し、現在休眠期間に入っている。これがゲッター線とバーテックスの真相だ」

想像を絶するスケールの内容に、勇者部は唖然とした表情となる。
そんな中、早乙女の説明にひとつの違和感を感じた樹が、早乙女に問いかける。

「あの、さっきおびただしい数のバーテックスと言っていましたけど、バーテックスって全部で12体なんじゃ…」

「それは半分正解だ。正確には『12体』ではなく『12種類』だ」

勇者部が言葉の意味を理解できず困惑する中、ただ一人、友奈のみがその顔に悪魔的な笑みを浮かべていた。

「どうやら、わしの言葉の意味が理解できたのは一人だけらしいな。
 いいだろう。お前たちにも分かるように、ある映像を見せてやる。お前たちが壁と呼んでいる物の外側の世界だ」

早乙女が上着の白衣のポケットからリモコンを取り出し、部屋中央のモニターのスイッチを入れる。
そこに映し出された映像は、勇者部の想像を絶するものだった。
人ひとりいない廃墟の街。草木も生えぬ赤茶けた大地。
そこには鳥も、虫も、獣の姿もなく、ただひたすらに荒野のみが一面に広がっていた。



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