6: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/09(土) 09:18:24.03 ID:92nMLp/t0
「……それでももし、誰かとお付き合いしてるって事実があったなら、
言い出し辛いかもしれませんけど俺に一言言ってください。
……勿論、そのせいで歌織さんに事務所を辞めてもらうとか言う話では無いですけど」
そうして時々はこんな風に、人をドキッとさせる言葉を下さるんです。
私は、まるで隠し事を悟られた少女のように肩を震わせると。
「疑っていらっしゃるのですか? ……私が、嘘をついてると」
「まさか! そうじゃなくて、支障が出ない方向へ活動をシフトさせますって話がしたいんです。
アイドルの肩書きを外したって、女優業だとか、モデル業だとか。
ウチはアイドル事務所である前に、芸能事務所でもありますから!」
「……プロデューサーさん」
彼の強い口調に押される形で、私は小さく口ごもると。
「お言葉ですけど私、演技は上手じゃありませんし、見た目に自信があるワケでも――」
でも彼は、そんな私の発言を黙って良しとはしませんでした。
立ったままで力み過ぎたのか、二人の間にいた環ちゃんの肩へ
押さえつけるように両手を乗せて、さらに大きくその身を乗り出して。
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