【ミリマス】彼女はその手を繋ぎたい
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5: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/09(土) 09:16:51.66 ID:92nMLp/t0

「あ、ありません! 無いですそんな!
――私、男の人と付き合ったことさえ一度だって……」

その勢いに大変驚かされてしまって、
不自然なぐらい、みっともなく取り乱したりもしてしまって。

恥ずかしさと自分自身への呆れで増々頬が、熱くなる。

でも、プロデューサーさんは私の反応に何だか胸を撫でおろすと。

「な、なんだ、そうですか……良かった」

「良かったって、何がです?」一拍置くことすら忘れてあわてんぼう。

怪訝そうに訊き返してしまう、私。

すると彼は、どう説明したものかと悩むように頭を掻きながら。

「いえね、他意は無いんですよ。ただほら、今の歌織さんは――アイドルですから」

――彼の口にしたその言葉は、私を頷かせるのに十分過ぎる程の力を持っていました。

確かに、アイドルを生業としてる人間が異性とお付き合いしてるだなんて……良くないことだと分かります。


でもそれは、世間に向けた暗黙の了解。
実際裏でどうかなんて、わざわざ触れない周知の事実。

現に目の前にいるこの人ですら、自分より遥かに年下のアイドル達から少なくない好意を寄せられていて
――私より年上のこのみさん曰く、「あれはお気に入りの玩具扱いよね」なんだそうですが――

事情を知らずに傍から見れば、いたいけな少女たちをはべらせている典型的な悪い大人(ひと)。

だけどそこまで好かれてしまうのは、彼が誰にでも公平だからかもしれません。
裏表も、隠してるつもりでお尻が見えてる人ですし。


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