10: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/09(土) 09:22:37.76 ID:92nMLp/t0
「……まぁ! お上手ですこと」
さらには少し強めの皮肉も投げつけちゃう。
ふふっ、このぐらいの大人の駆け引きは私にだってできますもの!
あんな見え透いたお世辞で言い包められてしまうほど私はちっとも子供でなく――。
「くふふ、かおりも嬉しいんだ!」
「ふぇっ?」……なんて、環ちゃんに言われて変な声が。
「だって褒められたーって顔してる!」
「分かって貰えたみたいですね! 俺から見た歌織さんがどれほど素敵な方なのかを!」
「えぇっ!? そんな、私、そんなつもりじゃ……」
途端、思わず両手を頬に当てて、虚勢もたちまち消え失せて。
私は今、自分がどんな顔をしているのか無性に確認したくなって――
ああ、でもでもそれを知るのはとっても怖い。
あれほど悪い人だからと自分に言い聞かせておいたのに、
それでも褒められたから嬉しいだなんて歌織ったら……もう! 一体どこまで単純な女なんでしょう!!
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