7: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/07(木) 19:41:13.44 ID:ODZrmv780
「わ、分かった。そうする、そうするよ」
「すぐですよ? 相談はまた後で改めてでいいですから」
「ああ、うん。ありがとう」
素直に彼女へ応えると、俺は一旦自分を落ち着けるために大きな大きなため息をついた。
「……また欠伸」
違う! ――まるで針のむしろに座らされているような気持ちで俺は椅子から立ち上がり、
厳しい監視の視線を感じながら事務室に置かれているソファの上に寝っ転がった。
それから腕を枕の代わりにして、丁度いい塩梅の姿勢を見つけると。
「ほら、これで構わないだろ? ……言いつけ通りちゃんと寝るさ」
「仮眠室まで行かないんですか?」
「良かったのか? 移動する時間で怒られるかと思って」
「なっ!? ……そ、そこまで鬼じゃありません!」
生憎、冗談だよとまでは言わせてくれないのだ。
これは彼女の言いつけ通り仮眠室まで行かないと、またまた酷く怒られるな。
……そう思った俺は慌てて体を起こしたが、
何が気に喰わないのか志保は厳しい表情のままつかつかとソファに近づいて来ると。
「な、なんだ?」
俺の言葉を聞く耳持たぬと受け流し、ポスン、とソファに腰を下ろす。
そうして、彼女は履いているスカートの乱れを手早く正し、両膝をぴちっと綺麗にくっつけたら
「……どうぞ」ぽんぽん、とその膝を俺に向かって叩いて見せたのだ!
――呆気に取られるって言葉を思い出す。
まさに今、この瞬間が使いどころだろう。
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