28:名無しNIPPER[saga]
2018/06/07(木) 23:24:41.65 ID:d7kJslco0
《橘ありす「今、こいつクールタチバナというより脳内ピンクタチバナだろって言ったの誰ですか。正直に名乗り出てください」》
◇
―――――そんな。
雷が堕ちてきたような衝撃でした。
まるで、脳から突き抜けて、踵のあたりまで駆け抜けていったような。
無意識に私は生唾を飲み込みます。
プロデューサーの言葉が鐘の音のように幾重にも重なって脳内に響くのがはっきりと分かります。
知っておいてほしかったんだよ。なんとなく ※原文ママ
――俺のことをもっと知ってくれ ※恣意的解釈
――― 一生を共にするキミには俺のすべてを知ってほしい ※逆難聴系主人公
―――――俺はキミのすべてを知りたい! ※幻聴
思わず、口を開こうとしてふと、それに気づく。
演技なんかじゃなく、かぁっ、と頭に血が昇ってくる。
顔全体が火傷したみたいな熱を感じる。
よもや、そこまで……なんて。
冗談めかした言葉で、誤魔化したくなるような
そこまでなりふり構わない愛情表現をされてしまうとは思いませんでした。
つ、釣った魚にこんなにたくさん餌あげちゃって、……ど、どうする……どうしたいんですかねっ!もうっ!
「…………もう少し、そうですね。くふ、もう少しですもんね」
ふと、緊張からなのかひどく喉が渇いていることに気づきます。
ふらふら、と夜の街頭に虫が引き寄せられるように、私はプロデューサーのデスクに迷いのない足取りで歩みだした。
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