橘ありす「人生の墓場へようこそ」
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17:名無しNIPPER[saga]
2018/06/06(水) 05:49:25.20 ID:tfnsu6Oi0
   《橘ありす「法的に結婚出来る年齢と倫理的に結婚が許される年齢が違うのって納得いかなくないですか?
    その点、未成年でも問題なく結べる婚約って本当に優秀で流石、小説、漫画とか様々な媒体で長年……あっ、もうちょっと喋る枠」》



 ◇

「なんだか珍しいもの飲んでますね」

ふと、気づいてプロデューサーに声を掛ける。

「……そう?」

彼ははて?と言わんばかりに首を傾げる。
のんびりと紙パックの中身を啜る仕草は特別面白いものでもないはずなのに、妙に面白いものに見える。

一瞬、心の中の乙女が「私がさっき涎を啜った音より静かに飲んでるじゃないですか」と、一瞬声をあげたのを黙らせる。バレてない出来事は存在しなかったも同義なのです。

『低脂肪』。
我々のような栄養管理に重きを置かなければいけない人種にとっての恩赦の言葉の刻まれたハンドサイズの牛乳のパック。
それから口を離してから、プロデューサーは口を離した。

「いや、なんか子供の頃は当たり前に飲んでて、大人になって飲まなくなると身体が消化しなくなるって聞いてさ、なんかさ……勿体ない気がして」

「勿体ないってなにがですか」

少しだけ困ったような顔して、それから神妙な顔つきでプロデューサーは再び口を開いた。

「……こう、消化酵素的な……胃……腸……腸内細菌……?いや、まぁ、どこで牛乳消化吸収してるんだか知らないんだけどさ」

時々、プロデューサーがひどく可愛らしく見えることがある。

これはあれ。あれなのです。
多分、惚れた弱みってやつなのです。


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