雨が降ればいいのに
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18:名無しNIPPER[saga]
2018/06/05(火) 23:10:22.88 ID:lfpzaq0oO
俺たちは二人とも、そのまま上級生チームに正式に加えられ、気がつけば大会のメンバーにも登録されていた。何人かの先輩方を蹴落としての選出に申し訳なさもあったけど、これが俺の能力に見合った評価だというのなら受け入れよう。

「藤、今年から勝ちに行くぜ」

メンバー発表の日の帰り道、高橋からそう声をかけられた。

元々のこいつのプランでは今年が県ベスト8、来年がベスト4、そして最終学年で全国大会だと語っていたのは覚えていた。今いるメンバーだけで狙うのは現実的ではなく、下の世代のうまい奴らが入ってこないとチーム力は上がらないと、巻き込まれて一緒にやってしまった自主練の後に語っていたのを思い出す。

「プランは上方修正?」

「ああ、やっぱり、先輩たちと勝ちてぇよ」

そういう素直な気持ちをまっすぐ言葉にできる高橋が、少し羨ましかった。悠里さんと釣り合いたいと願っていた頃の俺のままだったら、それができたのかは分からないけど。

大人になってしまったと自覚する俺からしてみれば、子供じみた高橋の夢物語がとても輝いて響いて、でもそれを俺自身が口にすることはできなかった。


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