雨が降ればいいのに
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14:名無しNIPPER[saga]
2018/06/05(火) 12:58:40.47 ID:lfpzaq0oO
翌日、俺は珠理ちゃんに告白の了承を伝えた。特に感慨はなかったけれど、悠里さんのことを気にしなければ断る理由もない。

彼女がいる生活、っていうものがどんなものかと思いはしたけど、特に大きな変化はなかった。ただ、雨の日になっても神社に行かなくなっただけだ。

部活が休みになると、俺は珠理ちゃんtp並んで歩いた。繋いだ手からは何も感じることはなかったけど、こういう落ち着いた気持ちが幸せだと言われたら、そんな気もしてしまう。

幸せふりをして、傷ついた自分を忘れて、次の春を迎える頃にはそれが本当の自分になっていた。

正しい行為では無いと自覚をしていても、傷ついた自分を救うにはそれしかなかった。悠里さんは俺にとっての酸っぱい葡萄で、それを望むことは間違いだったのだとしたら、身の程を弁えることが重要だという教訓にしよう。

現実は現実だ。ファンタジーじゃない。悠里さんと俺が一緒になるということは、この世界で起きる出来事じゃない。

その頃になって認めることができた。大人になるって、そういうことだ。


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