雨が降ればいいのに
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13:名無しNIPPER[saga]
2018/06/05(火) 12:47:11.35 ID:lfpzaq0oO
所詮おりでは無理だったかという諦念と、その表情が何を意味するかわからない戸惑いで、俺は何も言い返せなかった。

ただ、失恋をしたという痛みだけが俺の胸を責めた。人生で初めて感じる痛みだった。

どんな子なんですか、とか。藤くんはかっこよくなったから、とか。

それから彼女に言われたどんな言葉も、俺には響かなかった。一刻も早く、彼女の声から遠ざかりたかった。彼女の姿を目に入れたくなかった。今まで望んでいたそれらが、一気に俺の敵になった気がした。

彼女と俺との間に一方的に感じていた絆は、もう見えなくなっていた。花火大会の日に感じた手のぬくもりは、彼女なりの優しさだったのかもしれない。

そんな優しさなら知りたくなかったと自分勝手な独り言を吐きながら、夜道で一人で泣いた。

嗚呼、これが恋ってやつか。



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