提督「時雨、梅雨、雨、かたつむり」
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6:名無しNIPPER[saga]
2018/05/30(水) 15:36:10.05 ID:OsyhJzOS0
幻聴には己自身を責め立てるような響きが通常伴うが、その声は感情的にフラットで、いかなる言外の含みも抽出できなかった。

幻聴ではないなら実在する音声のはずだが、朝潮ちゃん以外に「朝潮ちゃん!」とそもそも発言できる存在はいないので、やはり現実的な音でもないことになる。

夢でも現でもない排中律を無視した第三領域から、好意からでも敵意からでもなく、届く呼び声。

尋常なら、通俗的な世界理解を超えた外宇宙存在を強く意識したとき、人は戦慄すべき不安を抱えるだろう。

しかし、朝潮ちゃんは尋常ではない。なぜなら、朝潮ちゃん彼女こそが朝潮ちゃんなのだから。

「朝潮ちゃん!」と朝潮ちゃんが呼びかけられたところで、朝潮ちゃんがどうして困るというのだろうか。


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