提督「時雨、梅雨、雨、かたつむり」
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10:名無しNIPPER[saga]
2018/05/30(水) 15:44:35.93 ID:OsyhJzOS0
大潮はなぜ己が過去に戻ったのか、その理由も原理も何も理解しなかった。それでも、大潮には生来の楽観さと無邪気さがあったので、大して巻き戻りを悩むことなく、その生活に順応していった。

むしろ、未来人であった大潮はとりわけ積極的に姉と司令官との関係を支援した。ある程度どこに問題が発生し、その原因も知っていた大潮は彼らのキューピットとしては非常に有能であった。

また大潮自身、姉と司令官とが己の助力のおかげで絆を強めていっていると思うと、全能感にも似た幸福を感じるのだった。

時は流れ、大潮にとっては二度目の姉と司令官の関係の成就を迎えた時には、大潮自身がよく貢献したせいもあり、一度目の時より強く彼らを祝福した。彼らに幸福な未来があらんことを!

浮足立って自室に帰ってきた大潮は寂しさなんて全く感じずにベッドに潜り込んだ。その夜もやはり星々が青く輝き、時が止まってしまったかのような静謐さで。

「さて! 今日もアゲアゲで行きましょうー!」普段より早い起床、何もかも肯定的な気分であった大潮は、目覚まし時計のベルを前もって止めようとして止まった。時計の日付表示が再び戻っていた。大潮は背中に冷や汗をかき、呼吸を乱した。まさか。



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