【モバマスSS】愛を知らない一ノ瀬志希と彼らの巡礼の旅
1- 20
47: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 01:59:13.49 ID:dFhLHRCO0


とある小さな山の中腹。
だぁれも居ない夜の公園。
アタシは一人でゆらゆらと、ブランコを揺らす。お空は雲ひとつない快晴。
以下略 AAS



48: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 01:59:55.73 ID:dFhLHRCO0
「……こんの……バカ猫娘ェ!!!」

ゴツン!
彼は見事にアタシを受け止めたかと思うと、流れるように頭突き。即座に手を離されて、アタシは額を抑えて地面にへたり込む。うーん、見上げてないのにお星様がみえるよー……

以下略 AAS



49: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:00:34.30 ID:dFhLHRCO0
「お前、最初は帰ってくる気無かっただろ」

「あ、バレた?あいたっ」

ノーモーションでデコピンの接射はずるいと思うなぁ……
以下略 AAS



50: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:01:19.63 ID:dFhLHRCO0
「でも珍しいのはキミもじゃない?いつも迎えになんて来ないのに」

「……ここにお前がいる気がした」

「にゃはー、以心伝心だねぇ。アタシもここで待てばキミが来ると思ったんだー」
以下略 AAS



51: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:01:56.81 ID:dFhLHRCO0
「ほれ。ブラックでいいか?」

「わとと」

彼は遊歩道沿いの自動販売機でブラックの缶コーヒーを二つ買って、一つをアタシに投げ渡した。そして横のベンチにどさりと腰掛け、隣をポンポンと叩きアタシに座るよう促す。
以下略 AAS



52: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:02:39.29 ID:dFhLHRCO0
それだけが、分からなかった。
忌避、嫉妬、憎悪、諦念。彼が「天才」という概念へ抱いている感情。
彼にスカウトされてしばらく一緒にいれば、否が応でも理解できるそれら。
これは分かる。だってアタシが失踪する直前に、ダッドに抱いていた、抱いてしまった感情と同じだから。
でも彼は失踪しない。アタシはした。その違いは?
以下略 AAS



53: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:03:37.81 ID:dFhLHRCO0
ますます分からない。
アタシがプロデューサーの側に居る理由。それは彼が興味深いから。どれだけ観察をしても、飽きることがないから。
ホントウに?
観察は得意だ。彼の言動行動の癖、傾向、趣味趣向、嫌いなものも、おおよそ把握できていると思う。そう、本来なら彼の観察はとうに終わっているはず。それなのに、アタシは観察を続けている。
それは何故?
以下略 AAS



54: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:04:46.56 ID:dFhLHRCO0
そしてアタシは失踪することにした。文香ちゃんが小さく何かを言っていたのも気にせずに、事務所を飛び出した。
探しに行こう。今のアタシの中にないそれを。
探しに行こう。アタシの中にいるはずの彼を。
何も見出せないのなら、もう彼と顔を合わせることすら出来ないような気さえして、怖くなって、恐ろしくなって、アタシは逃げた。
そして……終ぞアタシはそれらしいものを、見つけることは出来なかった。
以下略 AAS



55: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:05:21.16 ID:dFhLHRCO0
そして静寂を切り裂くように、彼は大きく溜息を吐いた。
それはまるで、初めて出会ったあの時のように。

「……俺たちは、存外馬鹿なのかもしれないな」

以下略 AAS



56: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:06:04.12 ID:dFhLHRCO0




「……俺がお前をプロデュースしてるのはな。お前を愛してしまったからだよ」
以下略 AAS



57: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:06:47.06 ID:dFhLHRCO0





以下略 AAS



58: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:07:25.67 ID:dFhLHRCO0
途端になんだか気恥ずかしくなってしまって、アタシも顔を覆う。するとそれを見たプロデューサーが、攻守逆転と言わんばかりにニヤリと笑った気配がした。

「そうしてるとお前もフツーの女の子みたいだな」

「そんな女の子に大真面目に……あ、愛してるなんて言っておいてよく言うよキミも」
以下略 AAS



59: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:08:13.48 ID:dFhLHRCO0
軽口の応酬をしていると、なんだか悩んでいたことが全部馬鹿らしくなってしまって、二人で顔を見合わせて、夜中なのにゲラゲラと笑い飛ばした。周りに住宅街は無いから大丈夫だと思うけど。
ひとしきり笑った後、アタシが伸びをしていると、プロデューサーがすっくと立ち上がった。
そしてさも当たり前のように、アタシに手を差し伸べる。

「さ、帰るぞ」
以下略 AAS



60: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:08:54.66 ID:dFhLHRCO0

「ねぇプロデューサー」

「なんだ」

以下略 AAS



61: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:09:34.77 ID:dFhLHRCO0
「プロデューサー、これからもアタシは失踪したりすると思うけど、よろしくねー」

「おう、いつでも行って帰って来い。泣いて謝ったって見捨ててなんてやらないから安心しな」

これからのアタシは、生きる方程式。
以下略 AAS



62: ◆TDtVvkz8pSL3[saga sage]
2018/05/30(水) 02:10:21.94 ID:dFhLHRCO0


「そういや日付が変わったな。誕生日おめでとう、志希」

「あれ、そうだったっけ。プレゼントプリーズ?」
以下略 AAS



63: ◆TDtVvkz8pSL3[saga]
2018/05/30(水) 02:12:10.70 ID:dFhLHRCO0
以上です。
志希、誕生日おめでとう。来年の総選挙も頑張ろう。

前作
【モバマス】あの日の私に、ありがとうを
以下略 AAS



64:名無しNIPPER[sage]
2018/05/30(水) 04:09:09.00 ID:ym9AX/eZO
蘭 子「混 沌 電 波 第170幕!(ち ゃ お ラ ジ第170回)」
ex14.vip2ch.com


65:名無しNIPPER[sage]
2018/05/30(水) 12:00:18.87 ID:yX+3TlDpo
乙乙。素敵なお話


66:名無しNIPPER[sage]
2018/05/30(水) 13:07:11.62 ID:Lxhf0s7p0
読みづらい


67:名無しNIPPER
2018/05/30(水) 14:33:45.14 ID:Y7cu7P2eO
乙です。
こういう雰囲気すごい好きです


67Res/43.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice