【モバマスSS】愛を知らない一ノ瀬志希と彼らの巡礼の旅
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◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:00:34.30 ID:dFhLHRCO0
「お前、最初は帰ってくる気無かっただろ」
「あ、バレた?あいたっ」
ノーモーションでデコピンの接射はずるいと思うなぁ……
以下略
AAS
50
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◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:01:19.63 ID:dFhLHRCO0
「でも珍しいのはキミもじゃない?いつも迎えになんて来ないのに」
「……ここにお前がいる気がした」
「にゃはー、以心伝心だねぇ。アタシもここで待てばキミが来ると思ったんだー」
以下略
AAS
51
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:01:56.81 ID:dFhLHRCO0
「ほれ。ブラックでいいか?」
「わとと」
彼は遊歩道沿いの自動販売機でブラックの缶コーヒーを二つ買って、一つをアタシに投げ渡した。そして横のベンチにどさりと腰掛け、隣をポンポンと叩きアタシに座るよう促す。
以下略
AAS
52
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:02:39.29 ID:dFhLHRCO0
それだけが、分からなかった。
忌避、嫉妬、憎悪、諦念。彼が「天才」という概念へ抱いている感情。
彼にスカウトされてしばらく一緒にいれば、否が応でも理解できるそれら。
これは分かる。だってアタシが失踪する直前に、ダッドに抱いていた、抱いてしまった感情と同じだから。
でも彼は失踪しない。アタシはした。その違いは?
以下略
AAS
53
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:03:37.81 ID:dFhLHRCO0
ますます分からない。
アタシがプロデューサーの側に居る理由。それは彼が興味深いから。どれだけ観察をしても、飽きることがないから。
ホントウに?
観察は得意だ。彼の言動行動の癖、傾向、趣味趣向、嫌いなものも、おおよそ把握できていると思う。そう、本来なら彼の観察はとうに終わっているはず。それなのに、アタシは観察を続けている。
それは何故?
以下略
AAS
54
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:04:46.56 ID:dFhLHRCO0
そしてアタシは失踪することにした。文香ちゃんが小さく何かを言っていたのも気にせずに、事務所を飛び出した。
探しに行こう。今のアタシの中にないそれを。
探しに行こう。アタシの中にいるはずの彼を。
何も見出せないのなら、もう彼と顔を合わせることすら出来ないような気さえして、怖くなって、恐ろしくなって、アタシは逃げた。
そして……終ぞアタシはそれらしいものを、見つけることは出来なかった。
以下略
AAS
55
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:05:21.16 ID:dFhLHRCO0
そして静寂を切り裂くように、彼は大きく溜息を吐いた。
それはまるで、初めて出会ったあの時のように。
「……俺たちは、存外馬鹿なのかもしれないな」
以下略
AAS
56
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:06:04.12 ID:dFhLHRCO0
「……俺がお前をプロデュースしてるのはな。お前を愛してしまったからだよ」
以下略
AAS
57
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:06:47.06 ID:dFhLHRCO0
以下略
AAS
58
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:07:25.67 ID:dFhLHRCO0
途端になんだか気恥ずかしくなってしまって、アタシも顔を覆う。するとそれを見たプロデューサーが、攻守逆転と言わんばかりにニヤリと笑った気配がした。
「そうしてるとお前もフツーの女の子みたいだな」
「そんな女の子に大真面目に……あ、愛してるなんて言っておいてよく言うよキミも」
以下略
AAS
59
:
◆TDtVvkz8pSL3
[saga sage]
2018/05/30(水) 02:08:13.48 ID:dFhLHRCO0
軽口の応酬をしていると、なんだか悩んでいたことが全部馬鹿らしくなってしまって、二人で顔を見合わせて、夜中なのにゲラゲラと笑い飛ばした。周りに住宅街は無いから大丈夫だと思うけど。
ひとしきり笑った後、アタシが伸びをしていると、プロデューサーがすっくと立ち上がった。
そしてさも当たり前のように、アタシに手を差し伸べる。
「さ、帰るぞ」
以下略
AAS
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