9: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/05/29(火) 23:36:43.72 ID:OrKBncO/0
僕は、手始めに家の庭で捕まえたバッタを異世界に送ることにした
だがいくら念じても、バッタを異世界に送り出すことは出来なかった
これは非常に困難な作業に思えたが、魔力が熱エネルギーであることを理解した僕にとっては
少し頭を捻るだけで、その論理的解決手法を見つけることができた
つまり、送り出せないのは単純に出力不足であるわけだから
人工的に起こした炎によって、不足した魔力を補ってやればよいのだ
この手法によって、僕はバッタの身体を完全に世界から消し去ることに成功した
僕は、少しずつ魔法をかける対象を大きくしていった
虫の次は、鳥を
鳥の次は、猫を
猫の次は、犬を
そして最後には、人を
正直、鳥を異世界に送るときは往生した
虫の時は、毛ほども感じなかった罪悪感が邪魔をしたのだ
例え必要とは言え、燃え盛る火の中に生き物を投げ入れるのだから、それは致し方ないことだろう
だが、別に殺すわけではないと自分に言い聞かし僕は実験を続行した
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