1: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:09:48.98 ID:X1ZFxUTf0
・書けたから投下
・これでシリーズ終わるかもしれません
・前作を読む必要はありません
前作
ファンとのふれあい! 片桐早苗編
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ファンとのふれあい! 向井拓海編
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ファンとのふれあい! 中野有香編
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二宮飛鳥単独合同SS会場
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2: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:10:49.66 ID:X1ZFxUTf0
彼は、古びた道場の中心に座していた。
年の頃は32。
剣道の師範を勤め、生計を立てている。
3: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:11:27.56 ID:X1ZFxUTf0
初めて出会った時の感動。
彼を遥かにしのぐ天賦の才。
真摯に修行に取り組む精神。
4: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:12:31.43 ID:X1ZFxUTf0
彼ははじめ、“なぜ自分に相談もせず”と憤った。
だがしばらく考えてみると、当然とも思った。
5: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:13:06.78 ID:X1ZFxUTf0
だが彼の予想に反して、脇山珠美のデビューは
トントン拍子に決定した。
彼は驚きながらも、妙に納得するところがあった。
6: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:13:39.13 ID:X1ZFxUTf0
デビューの予定が定まったとなると、彼は一層、
脇山珠美の才が惜しくなった。
彼女はアイドルになる決めた時から、道場に顔を出す頻度が下がった。
7: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:14:19.92 ID:X1ZFxUTf0
彼は脇山珠美に、“アイドルになるのをやめてくれ”と頼んだ。
彼女が剣のみに生きてくれるなら、いずれ道場を譲ってもよいとさえ思った。
雇ってもらえるよう各大学に土下座しても構わない。
8: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:14:59.78 ID:X1ZFxUTf0
道場の、立て付けの悪い戸が開く。
脇山珠美がやってきた。
きたな。彼は言った。
9: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:15:50.10 ID:X1ZFxUTf0
彼は驚いた。
大上段は、振り上げの動作を先取りするため攻撃に移りやすい。
その一方で、面と胴が完全に空く。
10: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/29(火) 23:16:30.70 ID:X1ZFxUTf0
脇山珠美が踏み込み、振り下ろす。
彼は受け止めた。
そして驚愕する。
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