【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
↓ 1- 覧 板 20
827: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/02/02(土) 22:09:00.19 ID:fXHa/LYp0
出来るだけ柔らかく、明るい声を出そうとしたものの、残念ながら掠れ切った私の喉は低く、しゃがれた音しか出さない。
けれども赤星さんはそんな事気にしていないようで、喜び、目元に涙を浮かべる。
小梅「みほさんっ!!良かったっ……来てくれたんですねっ!?」
みほ「別に。ただ、なんとなく体を動かしたくなったから」
赤星さんのいる街灯の下に私は歩みを進める。
小梅「それで良いんですっ…良かった、本当に良かったっ……」
赤星さんはこらえ切れなくなりその場で泣き始めてしまう。
その姿に、彼女がどれだけ気を張っていたのかを理解する。
ずっと、張り詰めていたのだろう。エリカさんがいなくなった事で、私が、こんな様になった事で。
それでも、私に会いに来て、ひどい言葉を浴びせられて、それでも私を気遣ってくれた。
その優しさが、強さこそが、エリカさんが赤星さんを友達だと認めた理由なのだと、私はようやく実感した。
みほ「赤星さん、ごめんなさい。私、あなたに酷い事を言った」
小梅「謝らないでくださいっ……良いんですよ、今こうして、あなたが来てくれただけで私は嬉しいんですから」
私の謝罪に赤星さんは涙をためたまま笑顔で答える。
私はさらに歩みを進め、
小梅「だからみほさ――――」
街灯の光の下、赤星さんの目の前に立った。
小梅「みほ、さん……」
赤星さんは呆然と目を見開いている。
……ああそうか、さすがに『これ』には驚くか。
みほ「……やっぱり気になる?まるでお婆ちゃんみたいでしょ?」
私はまるで見せびらかすように髪を一束掴んで振って見せる。
そのおどけた様子に、けれども呆然としたままの赤星さん。
まぁ、仕方がないだろう。いくら何でもこればっかりは。
みほ「いつの間にかね、こんなんになっちゃったんだ」
978Res/708.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20