【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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786: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/01/19(土) 19:02:41.98 ID:mYSOjYXE0





夕焼けの差すロッカールームに私は立っていた。


みほ「……あれ?」


来ている服は試合の時に来ていたパンツァージャケットではなく、慣れ親しんだ制服で、

けれども、それはおかしい事なのだ。だって私は確か、決勝に出てたはずじゃ……

どういう訳なのか首を傾げていると、苛立ったような、呆れたような声が耳に届く。


エリカ「何してるのよ。さっさと帰りましょう」


ロッカールームの出口、そこに声の主は立っていた。


みほ「エリカさん」


丁度、夕日の差さない影の中に彼女はいた。けれど、薄暗い影の中でも彼女の輪郭ははっきりとその存在を示していて、

今更ながら随分と整った容姿をしてるなぁ。なんて思ってしまう。

そんな風に感慨深く想う姿がよほど間抜けだったのか、彼女はため息をついて睨みつけてくる。


エリカ「あなたねぇ……何ボケっとしてるのよ。立ったまま寝てたわけ?」


なんとも嫌味たっぷりな様子はもはや慣れっこで、むしろ彼女なりの親愛の表し方とすら思っている。

……流石にこれで本気で嫌われているというのはあんまりにも切ないので、そこはもう考えない事としている。

それよりも、今はこの状況への疑問を尋ねないと。


みほ「エリカさん、私たちって決勝に出てたんじゃ……10連覇のかかった、決勝に」

エリカ「……あなた、本当に立ったまま寝てたの?中一の私たちが高校の試合に出られるわけないでしょ」


呆れとか驚きとかそういうのを通り越して心配そうな目でこちらを見てくる。

でも……中一?何を言って……

余りにも突拍子のない答えに私は戸惑いの声を出す事しかできない。


みほ「え、え?」

エリカ「大体、10連覇って……まだ7連覇できたってところなのに。長期的目標を持つのは大事だけど、目の前の事を無視してたら足元を掬われるだけ。

    あなたが見るべき戦場は高等部の前に中等部よ」


戸惑う私にエリカさんは矢継ぎ早にまくし立ててくる。

そこに呆れはあっても私をからかう様な意図は見えず、エリカさんと私のどちらかがおかしいのだとしたら、急に混乱しだした私がおかしいのだろう。

つまり――――私は寝ぼけていたのだ。





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