【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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734: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/12/29(土) 22:29:53.94 ID:Fz/0tnfx0
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晴天快晴夏の空。……とはいかず、少し曇り気味な決勝の会場。
隊長副隊長及び各車長への作戦の確認を済ませたものの、
試合開始まではまだ時間があるため選手達は各々試合に向けて自身の精神を整えている。
私もその例に違わず、少しでも不安要素を無くそうと前日も確認した天気予報を手元の携帯で確認していた。
みほ「……曇り時々晴。大丈夫かな」
小梅「さっきから何度も見てますけど、そう短時間に天気予報は変わらないと思いますよ」
隣に立つ赤星さんからどこか抑揚のない声がかけられる。
みほ「あはは、そうなんだけどね。やっぱり、心配になっちゃって」
小梅「大丈夫ですよ。隊長とみほさんが考えた作戦なんですから。私たちがちゃんとしていれば大丈夫なはずです」
みほ「……うん、そうだね」
車庫に納められている戦車たちは試合開始の時を今か今かと待ちわびてるように見える。
私もまた、赤星さんと共に、車庫の前で待ち人を待ちわびていた。
決勝の会場と言うだけあってか、たくさんの出店などがでていて観客の人たちの楽しそうな声が辺りに響いて賑やかな空気を肌で感じる。
私たちもなにか見てこようかなと思ったものの、流石に試合前に副隊長が遊んでるのは士気にかかわるのではと思いぐっとこらえた。
とはいえ既に準備は終え、やる事といえば先ほどからパカパカと携帯を開いては天気予報のページを見るか、何度も何度も見返した作戦の手順をまた見返すぐらいで、
なら赤星さんとおしゃべりでもと思うものの、どうも先ほどから言葉少なめでそれにつられて私の口も重くなってしまう。
無言の時間がしばし流れ、いい加減何事か話そうかと口を開くと、
エリカ「雁首揃えて呑気してるわねぇ」
いつの間にか車庫の前に来ていた待ち人が呆れたような声をかけてきた。
みほ「あ、エリカさん遅いよどこ行ってたの」
エリカ「飲み物買いに行く言ったでしょ……」
小梅「それにしては随分時間かかりましたね」
エリカ「ああ、ちょっと人と話しててね」
みほ「誰か知り合いでもいたの?」
私の質問に『それ聞いちゃう?聞かれたなら仕方がないなー教えてあげる♪』といったどうもイラっとする笑顔を見せると、揚揚と語りだす。
エリカ「私のファン♪」
みほ「今日ってそんなに気温高くないよね?むしろ山地だから結構涼しいのに……」
エリカ「しばき倒すわよ?いやほんとにファンだって子がいたのよ」
巨大な電子レンジにでも迷い込んで加熱されたのかと一瞬心配するものの、どうやらエリカさんは嘘や見得を張っているわけではないようだ。
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