【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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710: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/12/23(日) 22:21:29.40 ID:8Wy7TEBX0
エリカ「んーと……ちょっと話したかったのよ」
みほ「何それ?電話でもいいじゃん」
なにも決勝前夜に呼び出さなくてもいいのに。
そんな内心を読み取ったのかエリカさんはふんと鼻をならして嗜めるような表情をする。
エリカ「何でもかんでも文明の利器で解決しようとするんじゃないの。現代っ子なんだから」
みほ「同い年に言われたくないよ……」
エリカ「とにかく!いつも私が付き合ってあげてるんだからちょっとぐらい付き合いなさい」
みほ「しょうがないなぁ」
しぶしぶといった風に返すものの、元よりそのつもりだ。
というか、いきなり呼び出されてノコノコ来てしまった時点でさっさと帰るつもりなんて毛頭ない。
決勝前夜の貴重な時間が、エリカさんとのおしゃべりという、また違った貴重な時間に変わるだけなのだから。
エリカさんは「立ち話もなんだから」と、親指でベンチをさす。
私がベンチに座ると続けてエリカさんも腰を下ろす。私との間に一人分の隙間をあけて。
みほ「……」
エリカ「……なによ」
その距離がもどかしくて座ったままずりずりとにじり寄る。
エリカ「暑苦しいからやめてよ……」
本気目の苦言が来てしまった。
だけど、エリカさんはまた距離をとりはしない。
その様子に私とエリカさんの距離を実感できて、胸をなでおろす。
並んで座る私たちに、海風がそっと吹きかかる。
そのくすぐられるような心地よさを目を閉じてゆっくりと感じてみる。
それはエリカさんも同じだったのか、無言の時間がしばし流れる。
エリカ「思えばあなたともそれなりの付き合いになったわね」
ポツリと、独り言のような声。
エリカ「色々あったわ。あなたにムカついて、あなたをぶっ叩いて、あなたを無理やり引き連れてタンカスロンに参加して、めっちゃくちゃ怒られて」
みほ「それ全部中一の頃の事じゃん……」
思わず突っ込むとエリカさんは悪戯っぽく笑う。
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