【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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709: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/12/23(日) 22:15:56.79 ID:8Wy7TEBX0
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今私がいるのは学園艦の端にある広場。
楽器の練習をしたり、歌を歌ったり、あるいはただベンチに座って水平線に沈む夕日を眺めたりと、
学園艦に住んでいる人たちにとって憩いの場の一つだ。
だけど、焼け付くような太陽は夕日に変わり、その夕日も水平線に沈み切って、街灯と大きな満月が学園艦を照らしている。
そしてここにいるのは私と、私を呼び出したエリカさんだけ。
『今から会える?』
携帯から聞こえたのはあまりにも簡潔なお誘い。
お風呂に入り、今日は早めに寝よっかななんて思ってた矢先の事である。
私は二つ返事で了承すると、エリカさんに指定された場所へと向かうためてくてくと家から歩き始めた。
その道中で『まず用件を聞くべきだった』という事に気づくもすでに歩き出してしまった以上、今更電話をかけなおすのもあれなので会ってから聞けば良いという結論に至った。
私より先に着いていたエリカさんはフェンスに寄りかかってじっと水平線の先を見つめていた。
その姿に見とれてしまうのはもう毎度のことで、だからといって慣れるわけでもないのでやっぱり一瞬息をのんでしまう。
みほ「エリカさん、お待たせ」
とはいえお互いいつまでもぼーっとしてるわけにはいかないので、とりあえず声を掛けてみると、エリカさんはゆっくりと振り向き苦笑する。
エリカ「急に呼び出したのはこっちなんだから待たされただなんて思わないわよ」
みほ「それで、どうしたの急に?明日は決勝なのに」
そう、明日は待ちに待った決勝戦。練習は早めに切り上げられ、各々明日の大舞台に備えているはず。
そんな事エリカさんだってわかっているだろうに、人通りの無くなった夜の広場に私たちはいる。
お姉ちゃんにバレたら小言を言われそうだ。
当然の疑問をぶつけられたエリカさんはしかし、もじもじと落ち着きなく体を揺らす。
エリカ「あー……あれよ、その、ね?」
みほ「……?」
歯切れの悪いエリカさんの様子に私はただただ首を傾げる事しかできない。
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