8: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:21:07.57 ID:gNZChRei0
ある民族同士が、にらみ合い、殺気立っている。
二つの民族は長年いさかいを続けており、それがいよいよ爆発寸前となったのである。
9: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:24:05.77 ID:gNZChRei0
突然の乱入者に、困惑する二つの民族に対し、男は歩きながらつぶやいた。
「なぜ争ってるんですか? みんな、歩けば汗をかくのは変わらないのに……」
10: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:27:05.76 ID:gNZChRei0
男は地雷原に着いた。
当然、地雷原を管理している兵士が止めに入る。
11: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:30:13.82 ID:gNZChRei0
男をおそるおそる見守る兵士たち。
やがて――
12: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:33:15.65 ID:gNZChRei0
血と煙と銃弾と悲鳴が飛び交う戦場。
むろん、男はペースを落とさず歩き続ける。
13: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:36:05.92 ID:gNZChRei0
男が通れば、戦闘が止み、戦場が静かになる。
歩く男の姿には、戦いをやめさせてしまう何かがあった。
14: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:38:22.42 ID:gNZChRei0
男が歩いていると、複数の人間が男の前に立ちはだかった。
彼らはみな、国の指導者である。
15: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:41:04.36 ID:gNZChRei0
しかし、銃を向けられても、男の態度は変わらない。
「私は歩きます。撃ちたければどうぞ」
16: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:44:04.56 ID:gNZChRei0
しばらくして、この地から争いらしい争いはすっかり消えてしまった。
まもなく皆は、この地を平和にした男を捜したが、もはや行方は分からない。
17: ◆xGZ8epJNzU[saga]
2018/05/20(日) 16:47:28.70 ID:gNZChRei0
いつしか人々は男のことをこう呼ぶようになった。
この地から戦争をなくしたことから転じて、戦争をもひれ伏させた偉大なる王、
18:名無しNIPPER
2018/05/20(日) 17:46:27.20 ID:VxEA05Bfo
珍しく静かな落ちだな
おつおつ
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