281: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2019/04/05(金) 03:00:24.34 ID:TfnYM/DU0
バリケードの外に出ることを危惧していた拠点だったが、それ自体は杞憂だった。なぜならバリケード内の全てのゾンビは、キングの影響によりこの場所を守ろうとしている。いや、もしかしたらただ単に、この場所を自分達の場所と認識したのか。
どちらにせよ、出てはこないであろうという朗報はある。ただし、上位種は想定以上の個体が、初日にして確認できた今、それは霞むようなものだ。
「謎ですね。これだけの個体が、今までの監視で見つからなかったなんて…」
「…そうだな。あるいは、普段は見つからない状態なのか」
山中の疑問に対して、答えになるようなものではない。ただ、何が起きても不思議ではないこの世界で、否定する材料はなかった。
とりあえずの波は収まり、それぞれ小休止に入る。しばらくの間はこの出入り口を中心に、上位種と殴り合いになる。それはその都度、わずかな油断ですべてが終わる戦いが続くことを示していた。
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