2:名無しNIPPER
2018/05/14(月) 18:48:56.67 ID:uhnnpcVlO
白菊ほたる、総合十一位。属性六位。
それが、おれの前に突き付けられた現実だった。
今回の総選挙は、チャンスだった。CGの決選投票が安部菜々と本田未央に集中していることで、ほかの層は薄くなるんじゃないかと予想されていた。直前にはほたるの単独PUの仕事も入り、これは初めて天がほたるにくれた好機だと思った。俺もほたるも、この一月は普段の三倍は頑張った。だから、きっと、届くはずだと思っていた。
だけど、結果はこれだ。
「……ちっく、しょう……」
歯噛みする。抱いてはいけない感情が胸の内を支配する。
Cu一位、安部菜々。それは仕方がないというか、おれだって嬉しい。けれど、以下四人はどうだ?
全員既にCDデビューしていて、各企画への露出も十分過ぎるほど十分なアイドルばかりだ。それでいて、はっきりいって、今回の総選挙ではCGに届く可能性は殆ど無い。今回の総選挙は、安部菜々と本田未央のぶつかり合いだと、最初から分かっていたのだから。
であるなら。であるなら、なぜ。
おれはずっと、あの子の姿を見てきた。理不尽な不幸に遭いながら、それでも歯を食いしばって何度でも立ち上がるあの子の姿を。
だから思ってしまう。そんな子に、どうしてたった一度、救いの手を差し伸べることが出来ないんだと。もう十分持っている子より、持たざる子に、機会というものは与えられるべきなんじゃないかと。
「……ちがう……っ」
いや、違う。
CG総選挙は、ボイス総選挙でも、チャリティーイベントでもないのだ。
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