【ミリマス】このみ「いわゆる一つのぱにっくホラー」
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10: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/05/12(土) 14:36:14.20 ID:Yjk5w41g0

傍で聞こえる雑音から意識を患者に集中させ、風花がキリッとした真剣な表情で指示を出した。

このみたちもその通りに動き出したが、途中、プロデューサーがドコを押さえるか決めるのでひと悶着。

「足から手を離しなさいってばこの変態!」

「でも腕より足のが大変だよ?」

「だからって上に乗ろうとする必要なんてないでしょう!?」

「静かにして! 手元が狂うっ!!」

ピシャリ、風花に怒鳴られてこのみたち二人は押し黙った。普段は見られない剣幕だ。

風花はライブ前でも見せたことが無いほど張りつめた表情で注射器を右手に構えると。

「私なら打てる、私なら打てる、私なら打てる、私なら打てる……!!」

ブツブツと呪詛のように繰り返す表情からは完全に血の気が引いていた。
瞬間、このみたち二人も理解する。

「――打ちます!」


プスリ、針先は呆気なく莉緒の腕へと突き刺さった。

次いで泣くでもなく、喚くでもなく、全身の筋という筋を強張らせて、
彼女が痛みを堪えているのが押さえているこのみたちにも伝わって来る。

「あぁ良かった。今回は上手くいったみたい」

そうして、注射をし終わりホッと胸を撫でおろす風花に向け、しかし、このみたち二人は無言で「違う」と視線をやるのだった。


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