八幡「入学式の日に犬が飛んできたから蹴り返した話」
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164:名無しNIPPER
2018/05/16(水) 18:00:35.13 ID:XuXaEoRHO
 語尾を濁す可奈から視線を下げる。可奈の頭の後ろから見える部屋の中央のテーブルには人が集まっていて中々様子がうかがえなかったが、どうやら何かを取り囲んでいるようだ。
 
 なんだろう。わたしはうつむいたままの可奈に道を開けてもらい、テーブルの方へとゆっくり歩み寄った。
 
 机上には大量に積まれ山のような包装されたチョコレート、そしてただ一人突っ伏している赤みがかった長髪の女性。琴葉さんだ。

「これは……」

 すぐ近くにいた恵美さんが振り向いて言った。

「や、志保」

 いつもはおちゃらけてフレンドリーな態度でいる恵美さんでさえ、普段からは考えられないほど真面目な顔をしていた。

「恵美さん、一体これはどういうことですか?」

 わたしはできるだけ抑揚を抑えて尋ねた。

「見ての通りだよ、琴葉が倒れたんだ。原因ははっきりしている。誰かが、誰かが琴葉が口にしたチョコレートに、」

 恵美さんの声は心なしか震えていた。腕は微弱に痙攣し、握りしめた拳は青白く血管が浮き上がっている。アイドルがする拳ではない。

「塩を盛り込んだんだ」

 わたしは持っていた荷物を思わず落としてしまった。



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