遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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207:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/12(日) 10:50:52.20 ID:a8CCrCX80
 魔物たちの第二陣がやってきて、俺を取り囲んだ。先ほどの、戦いぶりをみて警戒しているのだろう。単なる力押しでは勝てないと踏んだのだ。しばしの膠着状態は、一人の男によって崩された。


「勇者め! ついにこんなところまで来たか!」


 その声は、倉庫の中二階から聞こえてきた。見ると、赤い褐色肌のオーガが立っている。その姿、誰が忘れようか炎魔将軍。

 あいつは、遊び人の顔に傷をつけた糞野郎だ。「手加減は抜きだ」と、剣を鞘から抜こうとしたその時、突然背中に激痛が走った。俺の体は宙に浮き、前方へと逆九の字で吹き飛ばされる。


「だめだ、やっばり刃が通らない」


 受け身を取って、振り返ると片目に眼帯をしたミノタウロスがいた。ミノタウロスは、自身の斧を不思議そうに眺めている。しゃがれた声に、他のミノタウロスより一回り大きい身体。魔物の顔は見分けられないといったが、こいつは覚えてる。


「あの時のやつか……っ!」


 ミノタウロスは、今度は俺のほうを不思議そうに見つめてきた。


「なんで、剣をぬいでいないんだ?」


「答える必要はないっ!」


 俺は、僅かに風を切る音を頭上に感じ、慌てて前転して避ける。中二階から飛び降りてきた炎魔将軍が、先ほどまで俺がいた地面を切り裂いていた。炎魔将軍がチッと舌打ちをする。


「耐性の勇者をなめるな。たとえ不意打ちだろうが、俺に二度の同じ失敗はない」


 憎き炎魔将軍を鼻で笑ったつもりだったが、奴は気にもかけず口角をあげた。


「いや、確かによく避けたものだ。流石は女神の力を受けたものだ。しかし避けたということは、私の剣なら貴様も切り裂けるということだろうか?」


「だったら試してみろ……っ!」


 ボス戦の始まりだ。


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